生涯、学習していきたい

いろいろなことを考えるのが好きです。

発達障害と知的障害のグラデーションイメージ

発達障害」「知的障害」。

ツイッターなどを眺めていると、どうもこれらの言葉が誤解されているような気がしました。

 

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https://www.pakutaso.com/20170720193post-12493.html

 

 「発達障害」「知的障害」とは

発達障害者支援法」に定められる発達障害とは以下の通りです。

発達障害とは、発達障害者支援法には「自閉症アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。

文部科学省



発達障害は、主に脳の機能に関する特性です。

脳の機能の特性によって、生活が大変な面があると「発達障害」ということになります。

 

対して、知的障害とは

 

知的障害は行動や思考の深さや複雑さなどの点で年齢相応の能力を持っていないと考えられる,すなわち知的能力の水準が同年代の平均的水準と比べて著しく未熟であることを特徴とする障害である 

http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/h19-2/html/3_2_8.html

 

知能(IQ)は知能検査などによって測定することができます。

知能の分類は以下のようになっています。

・130以上 きわめて優秀

・120~129 優秀

・110~119 平均の上

・90~109 平均

・80~89 平均の下

・70~79 境界線級/ ボーダーライン"

・70未満 知的障害 

 

知能指数(IQ)とは?定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?【LITALICO発達ナビ】

 

また世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では、知的障害の程度基準を、以下のように定義しています。

・50~69 軽度知的障害

・35~49 中度知的障害

・20~34 重度知的障害

・20未満 最重度知的障害 

 

発達障害」と「知的障害」はそれぞれの大変なところを別の角度から見たもの、ということができそうです。

 

誤解

よく見かける誤解は以下のようなもの。

色々な誤解があるように思いますが、

発達障害と知的障害がそれぞれ独立したもので、

それぞれに濃淡があると理解したほうがスムーズなのではないかと思います。

 

グラフにしてみた

それぞれ独立したもので、それぞれ濃淡があるというのを理解しやすくするために

グラフにしてみました。

 

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今回はたまたまy軸を知能指数に、x軸を発達障害の度合いにしましたが

もちろん逆でもいいと思います。

 

発達障害の中でも、今回は自閉症スペクトラムについて取り上げてみたいと思います。

 

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このグラフのどのあたりにご自身が位置するか、考えてみてください。

 

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知能はひとそれぞれ、というのはイメージがしやすいですよね。

IQが100の人もいれば110の人も120の人もいます。

それと同じように、自閉症の度合いもひとそれぞれあるのです。

ある一定の度合いを超えると、自閉症スペクトラムとして診断を受けることができます。

 

「知能の高い人」「知能の低い人」がいるのと同様に

「知能の高い発達障害」「知能の低い発達障害」が存在することがご理解いただけるのではないかと思います。

 

社会生活に困難を感じない人

ある程度社会に適応して行きていける人は、きっとこのあたりに位置しています。

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知能が比較的高く、発達障害の度合い(ここでは自閉症度)が比較的低い方です。

 

社会生活に困難を感じる人

社会生活を送る上で、本人や支援する人が大変と感じることがあるのは

逆側のラインにいる方となるでしょう。

 

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知能が比較的低かったり、発達障害の度合い(ここでは自閉症度)が比較的高い方です。

ひとりひとり困難に感じるポイントが違うので

それぞれの方に合った支援が必要になります。

 

療育手帳が出る範囲

知的障害を持つお子さんに発行される療育手帳。さまざまな福祉の制度で保護されることになりますが

療育手帳はだいたい、知能によって発行されることが多いようです。

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(紫色の部分ですね。)

 

このあたりの厳密な定義はわからないのですが、

知能が平均以上だとなかなか療育手帳が出ないという傾向があるように思います。

(私の見聞きする範囲です。)

 

 

ただ、知能の高いアスペルガー症候群などの方にも発行されたというお話を聞いたこともあります。

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知能がきわだって高い自閉症スペクトラムの方だと、学校でも特別支援の対象にならなくて大変な思いをすることもあるそうです。

それぞれの発達に合わせた教育が受けられるようになってほしいと心から願います。

 

自分は、周囲の方はどのあたりに位置している?

「なんであの人はこんなこともわからないんだろう」と腹がたつことがあったときには

「この人は、このグラフで言うとどのあたりにいるんだろう?と考えてみるといいかもしれません。

 

ちなみに私は、昔から自閉症の方にすごく興味があり

そのような様子を見た恩師が

「興味があるっていうことは、少しはその気があるとも言えるね」

とおっしゃっていたことがあります。

なので、診断が出るほどではないですし、困ったこともないのですが

自閉症度が多少はある方なんじゃないかなあと思っています。

 

 

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いろんなことを知っていたら、

他人が自分とは違う認知をしているかもしれないし

それは決して特別なことじゃないと理解することができます。

 

ネットで誹謗中傷をしている人を見かけても

「この人はもしかしたら何らかの困難を抱えているのかも」と想像することができれば

いちいち炎上が起こったりすることもなくなるはずです。

 

それぞれの人が違う人、ということが理解されるようになりますように。(*^^*)