生涯、学習していきたい

いろいろなことを考えるのが好きです。

「〇〇らしくしろ」というのは、人を簡単に判断するための便利グッズだ。

「〇〇らしくしなさい」という言葉が

物心ついたときから流行していたような気がします。

でも、これ、地味にきついなあと思うのです。

 

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 最初に感じたのは中学生のときだ

中学生のころ、

「中学生らしくしなさい」と周囲の子たちが注意されているのを見たのが最初でした。

 

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「ちゅうがくせいらしく…?」

 

(12歳当時の私。アホである)

 

その直前まではいうまでもなく小学生だったので、

最初は

  • 子供のようにふるまうな、年長者になった自覚を持て

という意味だと思ったのです。

  • 人の話を聞くべき場面で騒ぐな
  • 人の話をよく聞き、周囲を見て自分で判断して動け
  • 困ったときには固まらず、言葉で説明しろ

などのような

この言葉よりマイナスになるな」という意味かと。

 

 

しかし、中学校生活を送っていくうちに

  • 中学生の範囲を超えることをするな

という意味もあるということに気づいてきました。

  • 子供なのだから化粧をするな
  • 子供なのだから異性とつきあうな
  • 文武両道に励め。それ以外のことに価値はない
  • 中学生の範囲を超える学習を勝手にするな

などなど。

この言葉を逸脱するな」という意味もありますね。

 

 

なので、「〇〇らしくいなさい」という言葉の裏には

  • この言葉よりマイナスになるな
  • しかし、この言葉より逸脱するな

という二つの意味があるなあと思ったのです。

他にもある「らしさ」

他の「〇〇らしくしなさい」という言葉でよく聞くのが

  • 学生らしくしなさい
  • お母さんらしくふるまいなさい
  • 男らしくあれ

あたりでしょうか。

「女らしくあれ」は、セクハラに直結すると思われているためか

近年聞かなくなった気がしますが

男性には平気で「男らしくいろ」という圧力があると思います。

 

物議をかもした「あたし おかあさんだから」も

「おかあさんとはこういうものだ」という型を見せてきたところが

「おかあさんらしく」と一致。

ponnkichi.hatenablog.com

 

これらの言葉も、

  • この言葉からマイナスになるな
  • この言葉から逸脱するな

の二つの意味がありますよね。

 

「マイナスにならないようにする」のはぎりぎりアリ。

たとえば、

「中学生らしくしなさい」のうち、

「中学生になる前の子供のような振る舞いをするのはやめなさい」

つまり、

「中学生よりマイナスにならないようにしなさい」

というのはぎりぎりアリかな、と思います。

 

でも、これも

「自分が自分に向かって言う」ならまだいいけれど

「他人に向かって」言い出したらいかん。

ponnkichi.hatenablog.com

 

自分への戒めとして使うならいいけれど、

人に対して言い出したらただの押し付け。

 

「〇〇らしくしなさい」への抵抗感、

この言葉のうっとおしさは

そんな押し付けがましさからきているのでしょうね。

 

「逸脱するな」は絶対にナシ。

さらに、この言葉のもつもう一つの意味、

「〇〇の範囲からはみ出るような行為をするな」ということに関しては

もう完全にアウト。

 

「中学生なんだから、ネットで稼ぐのはやめなさい」

「大学生がするような勉強は必要ない、高校受験の勉強をしなさい」

などというのは完全に大きなお世話で

害悪でしかない。

 

「おかあさんなんだから、仕事を切り上げて早く帰ってきなさい」とか

うるさいとしか言いようがない。

子供がいて、世話をしたりともに時間を過ごす必要があるのは

おかあさんだけじゃないわけですから。

 

「男なんだからめそめそするな」に至っては

「男としてマイナス=女」というイメージまで持っていて

厄介なことこの上なし。

 

「〇〇らしさ」という謎の枠

「〇〇らしくしなさい」の持つイメージはこれです。

 

自分の形とは違う枠に

自分をセットする感じですね。

すごく窮屈な感じがします。

 

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(なんぞ、この絵)

 

 

 

もしくは、

すごく能力の高い人が「中学生なんだからそこまでするな」と言われるのは

高いところから

狭い枠に向かって飛び降りなくてはいけない感覚でしょうか。

 

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なんでわざわざそんなことをしなくてはならないのか。

 

それは、「枠」でしか人を見られない人のためなのです。

 

「〇〇らしさ」は、枠でしか判断できない人用の便利グッズである。

そこで私が得た結論は、

「〇〇らしくしろ」というのは

枠でしか人を見られない人のために開発された

簡単便利なキットなのだ、ということです。

 

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そのような人は

枠の形だけで他人や自分を判断するため、

中身がどうなっていても関係ないのです。

 

関係ないから、中身が声を出し始めたらびっくりするのです。

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もしくは、中身が入っていること自体知らないから

声を発したりしたらそれこそ腰を抜かすくらいびっくりするのです。

びっくりしたくないから、

「枠に入ってろ!」ということになるのです。

 

 

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(枠は便利グッズ)

 

枠=ステイタスや属性。

ステイタスや属性で人を判断するのは、非常に簡単です。

人のことを考えなくてもよくなるからです。

 

 対策

なので、便利グッズとしての「〇〇らしさ」は

当面、戦略として持っていくのがいいと私は思います。

 

枠を見せて安心させつつ、

中身があることを小出しにしていくと

相手をびっくりさせずにすみます。

飼うのがむずかしい野生動物とのつきあいのようなものと考えて 

便利に使っていきたいと思います。