生涯、学習していきたい

いろいろなことを考えるのが好きです。

「自分の気持ちを話してみる」ときには、目的を見失わないようにしよう

友人や子供と話をしていると、

「そんなときには自分の気持ちを話してみなよ!」と

アドバイスをしている場面にあうことがあります。

「もしかすると、自分の気持ちを伝えないほうがうまくいくかもよ?」

と思うときがあるので、まとめてみることにしました。

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 自分の素直な気持ちを伝えたい場面とは

自分の気持ちを伝えたい場面には、大きく分けて二つの状況があると思います。

  1. 自分の気持ちを表出したいだけ
  2. 何かを変えたいという目的がある。

このうち、2の「自分の気持ちを表出することそのものが目的」の状況にも

大きく分けて2パターンあると思います。

それは、自分の気持ちが

  • プラスの方向のとき
  • マイナスの方向のとき

です。

 

1.自分の気持ちを表出したいだけ

a:自分の気持ちがプラスの方向のとき

自分の気持ちがプラスの方向のときには、

素直に相手に向かって表出すると

結果的にいいことが起こります。

「すごいね!」「うれしい!」「ありがとう!」などの言葉は

人間関係を円滑にし、その人と仲良くなり、わかりあえる関係になることができます。

人は褒められると嬉しいものです。

 

この場合には、素直に間髪いれずに気持ちを表出するといいですね。

 

b:自分の気持ちがマイナスの方向のとき

「自分の気持ちを素直に話してみなよ!」と言われるパターンの半数くらいがこれだと思われます。

確かに、愚痴を言い合うとスッキリすることがあります。

 

ただ、これを不満に思っている相手にそのまま生の感情をぶつけても

いい結果は産まないですよね。

相手に、自分の不満をぶつけたところで

相手もムッとして喧嘩になったり、流されたりして終わりになります。

 

自分が相手に対してマイナスの気持ちを持っているときには、

必ず「こうしてほしい」「こうありたい」という願いが隠されているのです。

それが叶わないから不満に思っている。

なので、「どうしたら自分の願いがかなうか?」という方向に考えをシフトしたほうが

うまくいくことが多いのです。

 

2.何かを変えたいという目的がある

自分の気持ちを伝えたい場面の2パターン目は、

何かを変えたいという目的があるときです。

 

「ここがいやだからこのように変えてほしい」というマイナスを是正する目的だったり、

「あなたのことが好きだからそばにいたい」というプラスの方向の目的だったりします。

 

 

1で「自分の気持ちを表出したいだけ」と思った場合でも、

bの「マイナスの方向の感情を持っている」場合には

どこかに現状への不満が隠されています。

なので、実はマイナスの感情を相手にぶつけたいときには

「何かを変えたいという目的がある」と考えをシフトしたほうがうまくいきます。

 

何かを変えたいという目的がある場合には

最終目標は「いい方向に変わる」こと。

いい方向に変わった事実を手に入れることが一番大事なはずです。

 

大事なのは、今自分が持っている感情ではない。

いい方向に変わった事実を手に入れることです。

現在持っている感情と、事実は切り離して考えてみましょう。

 

感情をそのまま伝えるのではなく、

最終目的を手に入れるための戦略を考えましょう。

 

具体的な方法

具体的な方法は簡単です。

  1. 大きな目標を見据える。忘れないようにする。
  2. 具体的な目標を1つ提示する。

例1:子供がダラダラした生活をしているのであらためてほしい

夜更かしに朝寝坊、勉強もろくにしないでほっつきあるいている…

頭が痛くなるような思春期の子供をなんとかしたい。

そんなとき、自分の感情を素直に伝えるとたぶんながーいお説教になります。

まー、いい結果は生まないですよね。絶対に聞いていないし反発するでしょうし。

そんなときは先ほどの具体的な方法です。

  1. 大きな目標「規則正しい生活をしてほしい」
  2. 具体的な目標を1つ「朝は自分で起きる」

伝えるのは、2の具体的な目標1つだけです。

「朝は自分で起きようね」

目を見て話し、聞いていることを確認したらこの一言で終了です。

そして、翌朝から起こさないことです。

 

小言を長々と言うよりも、こちらのほうが効きます。

 

例2:育児をしようとしない夫に手伝って欲しい

生まれたばかりの赤ちゃんと、2歳児の兄弟を育児しているとします。

夜泣きで寝不足なのに早朝に起きる2歳児。

へとへとになりながら朝食を作っているときにおもらしをする2歳児。そして起きて泣く赤ちゃん。

夫は何もせずぐうぐう寝ているばかり。

「育児は『手伝う』ものじゃない。二人でするもんじゃ!」と怒り心頭のあなた。

こんなときに不満をそのままぶつけてもダンナさんは動くようになりません。

  1. 大きな目標「育児は二人の責任ということを当然のように共有する」
  2. 具体的な目標を1つ「妻が朝食を作っている間におむつを替える」

「私が朝ごはんを作っている間に、おむつを変えてあげてね」

目を見て、一度きり伝えます。

翌朝も同じように。

定着してきたら、また1つ新たな小さな目標を立てて行動します。

 

 

例3:遅刻常習犯の後輩に遅刻しないようにしてほしい

  1. 大きな目標「期限や時間を守ってほしい」
  2. 具体的な目標を1つ「始業時間に椅子につく」

「遅刻をしないでね」という言葉でもいいのですが、

受け取る側が「遅刻とは何か」をいまいち理解していない場合もあります。

もっと具体的に

「何時何分には椅子に座っている状態でいること」と教えたほうが伝わりやすいです。

時間の管理がうまくできない人にも、具体的な目標を1つに絞って達成できるように導いていったほうが結果的に早いです。

 

例4:あなたのことが好きなので付き合ってほしい

  1. 大きな目標「あなたとずっと仲良く付き合っていきたい」
  2. 具体的な目標を1つ「まずは仲良くなる」

思春期のころには、好きな人ができたらまずは自分の思いを伝えよう!でいいかもしれないです。

しかし、大人が親しくもない人にいきなり「好きです!付き合ってください!」と突撃した場合

最悪非常に恐怖心を抱かれて終了です。

相手と仲良く付き合っていきたいのであれば、相手の気持ちを考えるのは当然。

 

 

気持ちをそのまま伝えたいとき、相手への甘えがないか考えてみよう

誰かに対して強い感情を持ったとき、

それをぶつけたくなることはあるものです。

ただ、嫌なことをやめてほしいときや

このようなことをしてほしいという望みがあるときには

そのままの感情をぶつけることは必ずしもいい結果を生みません。

 

なのに、つい感情をぶつけそうになったときには

「相手に受け止めてほしい」という甘えがないか考えてみたらいいと思うのです。

「私はこんなに不満だったのよ!」

「ぼくはこんな気持ちだったんだよ!!」

というそのままの感情を相手に受け入れてもらいたいという状態じゃないかな?と。

 

そしてそれはたいてい受け入れられず、

「どうせ言ったって何もかわらない…」とうじうじしたり

「わかってくれなかった!はらたつ!」とさらに怒りを感じたり。

 

そんなときこそ、先ほどのことを思い出してみましょう。

  1. 大きな目標「そのままの感情を受け止めてもらいたい、相手に甘えたい」
  2. 具体的な目標を1つ「今から怒りを表出するが、何も言わずに受け止めてもらいたい」

伝えている最中におかしくなって、どうでもよくなる可能性もありますが。

 

おさらい。

「自分の気持ちを話してみる」ときには、

目的を見失わないようにしよう!

 

 

まあ、これ、全部自分に向けて言っているんですけれどね!