生涯、学習していきたい

いろいろなことを考えるのが好きです。

児童虐待をなくしたい人は、保護者や児相を責めたりしない

児童虐待をなくすためにはどうしたらいいのかを考えたときに

もっとも必要ないのは

「保護者を責める」

児童相談所を責める」

ことだと思うのです。

 

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https://www.pakutaso.com/20180612170post-16552.html



 

1.保護者

保護者を責めても仕方がない

痛ましい虐待の話が明るみになるたびに出てくる話が

  • 親が大人になりきらないうちに子供を産んでしまったからだ
  • 虐待するなら産まなければいいのに

と、保護者を責めるものです。

しかし、保護者を責めて状況が改善することはほぼありません。

責められて子供への対応を変えられる人はいません。

 

むしろ、追い詰められてますます弱い立場にある子供が痛めつけられる危険が増えます。

 

保護者を責めても虐待はなくならないのです。

どうしようもない状況をまず変える必要がある

虐待をしてしまう背景には本当に様々な理由があると思います。

経済的な問題

経済的に苦しいと、精神的にも追い詰められ

矛先が子供に向いてしまう可能性があります。

心身の不調

保護者が心身に不調を抱えていた場合、

正常な判断ができなくなっていく可能性があります。

精神疾患はもちろんのこと、

体の具合が悪くなると穏やかに接することが難しくなるものです。

社会的な問題

保護者が職場の人間関係がうまくいかなくて辛い思いをしているとき、

差別や偏見にさらされているとき

子育てで完全に孤立しているとき、

配偶者からDVの被害を受けているときなど

自分の力だけではどうしようもないようなときに

溜まったうっぷんが弱い立場の子供に向かってしまうことがあります。

 

これらのような、保護者の抱えるどうしようもない問題を解決することが

虐待の問題を解決する最短距離です。

 

そもそも論は無力

「虐待するくらいなら産まなければいいのに」

「親になる資格などない」

などということを虐待が起こってから言うのは完全に無力です。

たとえそもそも親になれるほど成熟していなかった保護者だとしても、

生まれてきた子供をなかったことにすることはできません。

過去は変えられません。

それよりも、現在抱えている問題を解決するほうが大事です。

 

「これから生まれてくる子供たちのために」

そうですね、その通りです。

自分や他者を尊重すること、生命を大切にすること、性教育

これらを、若い世代だけでなく中高年世代にも浸透させなくてはなりません。

 

特別な保護者が虐待をするわけではない

世の中には「虐待をする保護者」「しない保護者」がいるわけではありません。

子供の特性や

家族の状況で

グラデーションになっているものです。

そして、どこに自分がいるか常に揺れ動くものです。

日常につながる危機なのです。

 

子育てには、どこか

自分が過去に受けたトラウマと向き合い続ける作業という面もあります。

その苦しさも千差万別です。

他人にうちあけられないことも

言葉にならないこともたくさんあります。

 

自分がこれまでしてきた経験だけで子育てや虐待を語るのは

非常に危険です。

自分の視野の外にもたくさんの人がいることを忘れてはいけません。

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ponnkichi.hatenablog.com

 

子供を救いたいなら、まずは保護者を守ること

したがって、たいせつなのは

保護者を追い詰めないことです。

追い詰めて、それ以上の凶行をさせないことです。

 

子供を救いたいなら、まず保護者を守ることです。

経済的、心身のケア、社会的なケアが必要になります。

「親が成熟していない、中身が子供だ」というのなら

そこもサポートするしくみが必要なのです。

 

それを放棄して責めるのは

楽な立場から他人を袋叩きにする行為です。

 

2.児童相談所

児童相談所は本当にたくさんの案件を抱えています。

そしてそれを同時進行で対応しています。

職員数も慢性的に足りず、

専門性が不足している場合もあります。

 

そして、児童相談所で行われる業務には守秘義務があります。

どれだけたくさんの子供の命を救っても

守秘義務のため、

世の中の人に知れることはありません。

 

そして、とても残念な結果になったときだけ

クローズアップされてしまうのです。

 

「児相は何をやっているんだ!」と責めることは

より児相を追い詰めることとなります。

そのようにすると、どんな結果を招くでしょう?

 

責めることでは、何も解決しないのです。

ただ責めている人がすっきりするだけ。

すっきりしたいだけなら穴でもほって穴に叫べばいいのです。

現実社会は童話ではないので、

芽が出てばれることもないでしょう。 

専門家ではない私ができることは?

私は児童福祉の専門家ではありません。

そのような自分が今すぐにできることは何でしょうか。

困っている保護者の方がいたらすっと手助けをしたり

笑顔で接したり

会話ができる状況なら保護者の方やお子さんを褒めるということでしょうか。

 

虐待かも、と思ったらすぐに児童相談所に相談することはもちろん

保護者の方が苦しい時、辛いときには

相談できるサービスを教えたりすることでしょうか。

 

福祉のサービスが必要な方ほど、

追い詰められていたりして情報に触れるチャンスがなかったりします。

 

「追い詰めない」

「支える」

このようなことを念頭において行動していきたいと思います。