車の運転をする人は雪道を歩くのがうまい説
最近は雪国に住んでいるぽんきちさんです。
雪で道路が大変なことになっています。
雪深き大都市の道路の実態
現在住んでいるところは、200万人ほどの都市。
そこは、世界中を探しても「この人口でこんなに雪が降るところはない」という場所です。
ちなみに雪が降る地方の中では雪に関しては割と雑魚キャラ。
でも人口が多く、その分小道も多いというのがその実態です。
一般に、雪国の道路は広く作られています。
なぜなら、冬に雪が積もるからです。
あたたかな地方に住んでいるとイメージしづらいのですが、一度ふった雪はこちらでは春まで溶けません。
降ったら積もりっぱなし。それが雪国の雪です。
さて、今シーズン(2021〜2022年)は稀に見る大雪のシーズンです。
ここ数年はシーズン初めは雪が少なく、
「でもどうせ後からどさっと降るから。帳尻合わせてくるから」と言われていて
その通りになるというのが定石だったようです。
しかし今シーズンはラニーニャちゃんががんばったためか、出だしのダッシュからもうすごかったです。
有無を言わさず降り積もる雪。
こうなるとどうなるのかというと、
- まず道路が狭くなります。
除雪された雪が道路脇にどんどん積まれていくからです。
片道1車線ずつあったはずの道路が、車が1台やっと通れる細さに変貌します。
基本的にすれ違えません。
細道を走っているときに対向車が現れたのを発見したとき
逃げるポイントがない道の場合は、思いつくポイントがある方がひたすらバックして避けることになります。
- 次に、歩道がつぶれます。
道路脇に雪が積まれるので、基本的に歩道がつぶれます。
そしてその積まれた雪の上を歩くことは極めて危険です。
固い雪の場合でも滑り落ちることがあるし、
完全に固い雪でなかった場合には全身が埋まり、最悪窒息します。
小中学校が近くにある場合には歩道が作られますが
小中学校の近くに住んでいる子供ばかりではないので
歩道がない道路は子供たちが道路の真ん中を歩くという恐ろしい事態になります。
- そして、路面状況が悪くなります。
歩道もないような小道の場合、道路の真ん中あたりにマンホールがあったりします。
マンホールの模様を見たりするのは夏には大変楽しいですが
冬はその上にカチカチの雪が厚く積もりますので状況は一変します。
マンホールの上だけ雪が溶け、すごい穴になったりするのです。
この恐ろしいマンホール段差、
車でハマるとバンパーが割れたりします。
車高の低い車泣かせです。
さらに、このマンホール断崖を避けようとして通る場所にできがちなのですが
「柔らかくて車のタイヤが埋まってしまいそうゾーン」ができたりします。
この「柔らかくて車のタイヤが埋まってしまいそうゾーン」に入ってしまうと
ハンドルがとられ、思った方向に進めないことも起こりますし
最悪脱出できなくなります。
蟻地獄みたいなものです。
雪道を歩くのがうまい人は観察力がある
そんなひどい状況の道を上手に歩いている人がいます。
転ばないで歩く、という技術面の話ではありません。
(それも大事なのですが)
車1台しか通られないような小道を歩いていて車が来たときに
上手に避けたり、場合によっては小走りで危険なゾーンをすぐに抜けようとする
雪道歩きでの安全管理のプロのことです。
上手に歩く人には共通点があります。
- 前後の車の通行状況を素早く確認する
- 他の歩行者の状況を素早く確認する
- 車の通る路面の状況を素早く確認する
- その上で最適な場所にいる
ということです。
まず、すれ違えないほどの細い道では見えている車だけでなく、
反対方向から車が来ているかどうかも確認する必要があります。
また、細い道では他の歩行者も大きな通行の妨げになります。
そして、マンホール断崖や「柔らかくて車のタイヤが埋まってしまいそうゾーン」があると
車はそれを避けようとするので車の進行方向も変わります。
それらの状況を瞬時に読み、そして一番交通を混乱させない方法で自らの安全を守る。
そんなことができる人が雪道を歩くのがうまい人なのです。
雪道を歩くのがうまい人には観察力があるのです。
観察力は雪道の運転の経験から生まれる
この観察力は、知らず知らずに身につくものではないような気がします。
特に、車や他の歩行者、路面状況の確認の全てを行うには
「雪道の運転をしたことがあるかどうか」にかかっているように思います。
特に、3番目の要素、「路面状況の確認」
(マンホール断崖や「柔らかくて車のタイヤが埋まってしまいそうゾーン」を運転者は避けたいということを知っているかどうか)
は運転経験がないとなかなか想像できない部分なんじゃないかと思います。
小中学校のそばを通ると、時々びっくりするくらい道路状況を見て判断しているお子さんに出会いますが
さすがに路面まで読めるお子さんにお会いしたことはないですね。当たり前ですね。
特に小学校の近くでは
「子供は飛び出すもの」
「子供は突然立ち止まったりUターンしたりしゃがんだりするもの」
「子供は突然転ぶもの」
と認識し、時速5キロくらいで進んでいるので
よく車の状況を見ているお子さんに出会うと感激してしまいます。
こんなよくできたお子さんが将来車を運転するようになったら、すごく安心ですね。
「運転者の目線」は他の場面でも言える
「運転者の目線」があると雪道を歩くのが上手になりますが
それがないと、やはりどこかに抜けが生じてしまうのは仕方がないことだと思います。
経験がないと、全ての方面を把握するのは難しいことなのです。
「運転者の目線」を持たずに雪道を歩くのは難しいのです。
それと同じことが他の場面でも言えるなあと思います。
SNSなどでよく見かけるのですが
リアルな経験のないことに意見を述べようとすると、どうしてもどこかの視点がすっぽりと抜け落ちてしまいがちです。
スポーツにしろ、医療にしろ、介護にしろ子育てにしろ教育にしろ……。
また、経験したことがないことはなぜか簡単に見えてしまう(ダニングクルーガー効果)ということも起こります。
経験者の話を聞くと、自分の考えの中で抜けていたところが見えてきて面白いですね。
というわけで。
雪道を歩くのが上手な人を見ると感動する、というお話でした。
ちなみに。
細道ではなかなか排雪が入らないのですが
そうなると車道が民家の前の地面よりもどんどん高くなっていくという現象が起こります。
車が平均台の上を通っているみたいな感じになります。
私はこれを勝手に「天井川効果」と呼んでいるのでした。