生涯、学習していきたい

いろいろなことを考えるのが好きです。

数値化することで痛みを和らげた体験談

このあいだ、軽微な虫歯ができまして、歯医者さんで治療をしてもらいました。

https://www.pakutaso.com/20230243055post-45520.html

 

歯医者での体験

 

「ごくごく軽い虫歯なので、麻酔なしでいけると思います。

痛かったら途中で麻酔をすることもできます」

と歯医者さんに言われてはじまった治療。

「じゃあ、麻酔なしで!」

元気いっぱいに答えていた私です。

 

「まあ、痛いといってもきっと歯石をとるくらいのもんでしょ」

 

 

 

そんなふうに思っていました。

 

しかし、治療が始まるとそれはさすがに甘い認識であったことに気づくわけです。

 

「あれ、思っていたよりも痛い」



 

神経に触るようなぴりっとした痛みを感じて、思わずびくっと身体を動かしてしまいました。

ほぼ無痛みたいなもんだと思っていたので、痛いのはちょっといやだな、と身構えてしまいました。

しかし、ここで麻酔をお願いすると時間がかかってしまって面倒くさいし、歯医者さんにもお手数をおかけしてしまいます。

そこで思いついたのです。

「他の痛かったことと比べてみよう」

 

痛みの度合い比較

まず、今まで体験した中で最も痛かったことを思い出してみます。

うーん、私の場合は出産ですね。

他はほぼ記憶に残っていないので、最後の出産の痛みを100とします。

 

他に、歯の根本が痛くて眠ることもできず、点滴をしてもらったことがあるのですが

それを80とします。

 

出産を100とし、歯の根本の痛みを80とすると、この治療の痛みは……。

 

 

「0.5だな」

 

 

 

1にも満たない。

そんなことを考えると、急に現在感じている痛みが怖くなくなりました。

 

漫画のシーンを思い出す

他にも昔に読んだ漫画の1シーンを思い出しました。

大きな傷を受けていて、このままでは傷がふさがりそうもないけれど

近くには病院もないという状況。

年長者が傷病者の口にさるぐつわのようなものをかませ、

消毒薬のかわりにアルコール度数の高い酒をかけてから

普通の針と糸で縫合していきます。

苦痛に顔をゆがめる傷病者。

 

あれ、おそらく鎮痛剤もない状況だろうし

縫合したあときっと熱もだすよね?

私なら気絶する痛さだろうなあ……。

 

 

 

「あれの痛みは250だな」

 

 

少なくとも出産の2.5倍くらいはありそう。

そうしたら、この虫歯治療の痛みなど0.2にも満たないかもしれない。

うん、痛いけれど0.2なら全然耐えられる。

 

そんなことを考えているうちに治療、終了です。

 

数値化することで痛みが主観から客観になる

おそらく、ごく主観的である「痛み」が

数値化することで客観的なものに変わるのでしょう。

数値の基準は過去の経験でもいいし、

なんなら漫画で読んだ、みたいに直接経験していないものでも可能でしたね。

 

このことは、他のことにも応用できるのではないでしょうか。

 

認知行動療法

認知行動療法という、軽度のうつ病で保険適用される治療法があります。

その中に、辛さを数値化するというものがあります。

「現在辛さを感じていることは、10段階中のどのくらいですか?」ということをたずね、

患者さんの中で現在の状況は数値にするとどのくらいなのか考えてもらうのです。

 

主観的で、他の人には伝わりにくかった辛さが

客観的で伝わりやすいものに変わります。

その過程で、自分では現在は6くらいの辛さを感じているのか、と

一歩引いた視線から自分の辛さを見つめることができるのです。

 

視界が、自分の目を通したものから

自分の斜め上の頭上から見たようなものに変わるんですね。

 

痛みや辛さを、いったん自分から引き離して外側から眺めることで

痛みや辛さに対する恐怖心を和らげることができるのです。

 

自分の現在地をはっきりさせるもの

数値化するということは、自分の現在地をはっきりとさせるということでもありそうです。

現在地がわかれば、目的地までの行き方もわかりやすくなります。

 

他にも、数値化することで楽になったりわかりやすくなったりすることはないかな?

おもしろそうなので色々と探してみたいと思います。